インドの経済規模が急速な成長をしていることを知り、市場参入を考えている方のために近年のインドの経済規模について説明します。
この記事を読むだけでインドが急成長している理由を理解できます。インドの特徴や今後のインドの成長についても書いてあるので、インドへの市場参入を考えている方はぜひ最後まで読んでいただければと思います!
インドってどんな国?
インドに関する概要
まずはインドがどのような国なのか説明します。インドは南アジアに位置しており、世界2位の人口数を誇る多民族国家です。公用語はヒンドゥー語で、8割の人々がヒンドゥー教を信仰しています。
“インド映画”という言葉もある通り、インドは世界1位の映画大国で年間に1986本もの映画を作成していて世界1位です。2位の中国ですら874本と大差をつけています。多民族国家ということもあり、さまざまな言語で制作する必要があるため制作本数が多いと言われています。
ヒンドゥー教徒が多いため、タブーとされる牛肉をはじめ、肉類や魚など動物性の食事を避ける傾向があるのでベジタリアンが多いです。”穢れ”を強く意識するので、他の人との食器の共有を避け、食事をするときも右手を使います。
インドと中国と日本を比較
同じアジア圏のインドと中国と日本の比較をみていきます。2020年における実質GDP成長率がインドは7.2%、中国が2.3%、日本が4.83%(日本貿易振興機構引用)となっており、最も成長を見せています。
しかし、ひとりあたりの名目GDPで比較すると、インドは1,965ドル、中国が10,511ドル、日本が40,146ドル(日本貿易振興機構引用)となっており、他国と比べるとまだ低い現状となっています。ですが近年急成長している国なので、今後のひとりあたりの名目GDPの成長にも期待できます。
世界が注目するインド経済規模の成長
インドのGDP成長推移
インドは2019年以前の40年間に大幅な経済成長をしてきていました。しかし昨年のコロナ禍における全面的なロックダウンにより、成長率は著しく低下しています。2021年四半期は前年同様のロックダウンは行われていませんでしたが、経済成長はどのような結果になっているでしょうか?
2021年度四半期の成長率を前年同期と比較すると、20.1%となり再びGDP成長をリスタートさせているとインドは評価されています。この数値から見るGDP総額は、40年間の成長を続けていた2017年度のGDP総額を上回っています。GDPランキングも2021年10月現在世界6位(IMF:国際通貨基金参照)と、世界の上位に位置していることがわかります。
順位 | 国名 | 単位(百万$) |
1位 | 米国 | 22,675,271 |
2位 | 中国 | 16,642,318 |
3位 | 日本 | 5,378,136 |
4位 | ドイツ | 4,319,286 |
5位 | イギリス | 3,124,650 |
6位 | インド | 3,049,704 |
7位 | フランス | 2,938,271 |
8位 | イタリア | 2,106,287 |
9位 | カナダ | 1,883,487 |
10位 | 韓国 | 1,806,707 |
世界で最も急速な成長が注目される都市
オックスフォード・エコノミクスの発表によると、2035年までのGDPがもっとも急成長する都市予想の上位10位までがすべてインドの都市であるとされています。なぜ、インドがこのように急成長する都市を独占できているのでしょうか?
1位のスーラトは、平均成長率は9.2%になると予想されています。スーラトは主にダイヤモンド加工やITセクターが成長している都市です。他にもインドのシリコンバレーと呼ばれる都市であるベンガルールも3位にランクインしており2035年までの成長に期待が寄せられています。
順位 | 成長率(%) | 都市 |
1位 | 9.17 | スーラト |
2位 | 8.58 | アーグラ |
3位 | 8.50 | ベンガルール |
4位 | 8.47 | ハイデラバード |
5位 | 8.41 | ナーグプル |
6位 | 8.36 | ティルプル |
7位 | 8.33 | ラージコート |
8位 | 8.29 | ティルチラーパッリ |
9位 | 8.17 | チェンナイ |
10位 | 8.16 | ビジャヤワダ |
このようなインドの急成長を支える要因のひとつに圧倒的な人口数が挙げられます。そこで次にインド経済成長に関わる人口やその主要産業について深掘りしていきます。
インド経済成長の秘訣は人口
経済成長を促す圧倒的な人口数
ご存知の方もいるかもしれませんが、インドは中国に次いで世界2位の人口数を誇ります。インド経済成長の要因となる人口数は13億人超えとされており、現在も増加を続けています。
ひとりあたりのGDP数値は1,965ドルと、日本や中国に比べると低い数値であることは上記で説明しましたが、その数値を人口でカバーしているということが考えられます。
昨年はコロナ禍におけるロックダウンの影響もあり低迷したが、2021年現在でひとりあたりの名目GDPは過去最高となっています。(国民経済計算マニュアルのデータに基づく)
GDP同様にインドのひとりあたり購買力平価も右肩上がりで上昇を続けています。インド全体をみて、金銭的にも徐々に豊かになっていることが裏付けられていますね。現在のインドの平均年収は世界で69位となっておりますが、今後インドの平均年収が増えることも期待されます。
主要事業と輸出大国としてのインド
急成長を遂げるインドの主要事業について説明していきます。
主に農業やIT関連、工業が盛んとなっています。労働者の約半数の人が農業に従事しており、果物と野菜に関しては世界2位の生産量を誇ります。加えて石油の輸出も力を入れており、石油輸出だけでも輸出額の15%を占めています。
インドといえばIT関連が盛んなことでも有名です。インドでITが栄えた理由としてあげられるものに時差が関係しているとされています。シリコンバレーのあるアメリカ合衆国と12時間の時差があるため、アメリカで開発されるソフトウェアを夜にインドへ送ることで朝を迎えたインドで開発の続きを進めることが可能ということです。実質24時間開発が可能なので作業効率が格段に上がります。
このように国内でのみの消費だけでなく、食品関連であれば輸出、IT関連であれば外国との取引を行うことで利益を出し続けています。特にインドは外国との輸出入や共同開発に力を入れ、現在も伸び続けている国だといえます。
まとめ
最後にインドは現在も急成長を続けている国で、世界的に見ても今後も成長が続くと予想されています。人口もまだ増え続けていますし、一人あたりのGDPがまだ低いことからも今後の伸びしろは大きいと思われています。
国内での消費も増えていることから農業やIT業界の更なる発展にも期待可能。インドがアジア圏の経済を牽引する主要国になることも考えられます。インド全体で経済成長中なので市場としても参入のチャンスがたくさんあるかもしれませんね。
今後も成長すると予想されているIT関連が強みであることが非常に魅力的なところです。アメリカとの立地関係が良い点も活用し、今後の更なる発展に期待です。今後アジア圏の成長を牽引する国になってくれることでしょう。